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● ZONE Ⅰ  1987



"ZONE I"  Steel  1987
第51回新制作展 新作家賞  東京都美術館






"ZONE I"  Steel  1987
第51回新制作展 新作家賞





Note of Designing Code  "ZONE I"  1987  第51回新制作展 新作家賞

アルスノノート

ZONE I   1987
登った梯子をはずすべく、、、
記念のはしごをのこす。

リズムとプロポーションの構成をアルゴリズム化してデザインした作品.定量・定性化した造形デザインを可視化によって確認するには,嘘や誤魔化しのできない計算機がうってつけである.だがこの時代のパソコンは,見栄えのするレンダリングなどできなかったので,実物を造らざるを得なかった.当時,「この空間の把握力が、プログラム化されているのは鑑賞者のほうである。とすると、この造形プロセスのプログラム化は何を意味しているのか。それは、もちろん the next step である。」と書いたが,いまなら「…それは,『形典』への階梯である.」と書くほうが解り安いだろう.

イメージ

  ミニマリズム的作品と思われる方もいるだろう.確かにそうだが,そのきっかけは期待に反するかもしれない.己の空間感覚を試してみたかった.いわゆる創作性などというかっこ良い話しではない.論理性の上に構築されたイメージを具現化することで,己の眼がその空間性を把握できるのかという実験である.幸いにして賞もいただき,実験結果は客観性を得た,もちろん,この判断は観る側の空間的センスにあるのだ.人のイメージ力とはすごいものである.そしてもう一つ,数理の秘密?を知ることになる.これは正に「秘すれば花」であろう.

  人は何を基準に対象を位置付けるのだろうか?差異を見出すには,変化自体を基準にすることも可能なのだ.造形構成における基本的記述とは,人間においてはどの程度の次元が必要なのか?そんな疑問がミニマムな作品を生むきっかけだった.無精者にはもってこいの手法…と言ったら怒られるであろう.

構成と構法

   アルゴリズムはプログラムに記述されていて,構成は隠しようもない.寸法のモデュールは、引き続き「フラクタル スケール」を使用している. 構法には,その思わぬ恩恵があった.部材の寸法や交わる角度が正確に出ているからだ.もちろん,製作現場は,そう旨くはいかない.仕口をNC加工するほどの資金的ゆとりはないからだ.それでも,正確な寸法が解っているので,スタッフに作業での迷いはなかった.





COMA DESIGN STUDIO  Ken ISHIGAKI

 

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