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    ワークショップ:Magic Tiles 黄金比による構成.
  以下のワークショップを企画しました.開催希望を受付中です.
ワークショップ(No.02)の概要

ワークショップ 「美しいって何だろう?」 Ver. 1.2
              Magic Tiles 黄金比による構成.
のページです.

その1:

画面構成の分析 スライド(15分)
サンプル資料の分析(20分) No01のワークショップと同じです.二度目の方は,更に異なる比例とその効果の仕組みを考察しましょう.

その2: プロポーションの仕組み方 スライド(15分)
実験:マジックタイル(黄金比)による構成実験 (20分)
質疑応答(20分)
配布資料(1)

浮世絵のコピー(画面構成の分析)
葛飾北斎 富嶽三十六景 神奈川沖浪裏
(A5プリント)
参考サイト:東京国立博物館 名品ギャラリー
http://www.tnm.go.jp/jp/servlet/
Con?processId=00&Title=%90_%93%DE%90%EC%89%AB%98Q%97%A0&Artist
=&Site=&Period=&FromNo=&ToNo=&pageId=F07&filmnum=34988

配付資料(2) マジックタイル?・黄金矩形と黄金比となる大きさを使った画面構成の実験.
(A5プリント)
配付資料(3) レイアウト用台紙 (A5枠付き)
(A4プリント)

 


ワークショップ「美しいって何だろう?」  No.02-1

1-1:画面構成の分析(スライドショウによる解説)
 実は,ちょっと難しい課題のワークショップでした.ワークショップは簡単で解りやすいものが一般的です.しかし,私たちの命を扱う芸術も科学も,そんなに簡単なわけがありません.実は,人間とはまだまだ解らないことだらけで,その難問にチャレンジするのは,簡単なのだということです.すぐ結果のでないことでも,大切と思ったら躊躇せず,着実に自分を見つめて問いかける方法に気が付けば,いくらでも自問自答の日々がつづきます.そのことに真正面から問いかけられるのは,自分を置いて他にありません.ただ一度の人生において,科学を理解できるのはかけがえのない自分自身の論理的思考の確かさであり,芸術を感じ取るのも自ら研鑽した己の感性に委ねるほかありません.その探求をどこまでも導いてくれる道しるべこそ,よりどころとできる科学的客観性であり,芸術のもつ美しさなのでしょう.

 

1-2:サンプル資料の分析

  冨士を望む日常を,見事に写しだす浮世絵.不二という消点(北斎からの視線)は,命の周期をも超え,私たちの心にもおよびます. 
透視図法,特に一点透視は,絵画空間を強固で統合しすぎる不自然さがあります.それを避けるため,浮世絵でも様々な工夫がなされているようです.探してみましょう!

 

 自問自答を助けるのは,いつになっても諦めることのない,のんびりと穏やかな心もちです.そしてそれを手助けしてくれるのが,まさに一心同体の目や手の力です.目で見たことを即座に表し再確認させる手.忘れた頃にはっと気付く,心の不思議な持続性.人間ってスゴイ生き物ですね.「考え方が身に付く」とは,とても唯脳的仕業とは思えません.
自分が気がついていくプロセスを気が付かせるのが探求のアルスノートです.そのプロセスが次の作品を生むアルスノートへと再構成されていくわけです.

 

無意識に感じ取っているパターンをあえて描き出し,あらためて美を支えている基本的構成を確認していきましょう.

 ここでは,写真自体の説明はあえて求めません.言葉にせずに,目で見て,描いて,眼の躍動や手の筋肉の感覚も加えて考えてください.線のバランスは,それを描いた手が知っているはずです.その結果が,参加した方々の発見された右列に連なる写真情報ということです.文字データ,ピクセルデータ,ベクトルデータ.この明解な差異の意味することが,私たちの認識にも役立ちます.

 科学は,定量化を超えた構造化や統計的手法で更なる難関を切り抜け,不測の事態を避けようと努めています.論理的な矛盾を放置し経済の崩壊を招くのは,その崩壊の混乱に乗じた企みや,諦めがあるからに他なりません.

無意識の中の幾何学的な把握.意識したとたんに,どうしてもそれが気になってしまいます.しかし,そんなことを中心に絵を見るわけではありません.でも気が付いてないのではなく,意識しなくとも当たり前のように自然に認知しながらも,そのことに目を奪われることもありません.無意識な知覚が,意識以上に対象を素早く感知し,冷静に抑制を効かして更なるパターンを探り出すよう,意識にゆとりを持たせようとします.実に自然体での認識力は不思議です.恐らく生きるための危機管理力とは,このように惑わされることのない深い洞察力を指しているのでしょう.眼前の対象にたいする総合的な判断とは,平和時には,美の鑑賞でおおいに養えるものではないでしょうか.戦いとは,破壊ではなく,自然と競う創造であるはずです.
基礎的な学習とは,あたりまえのことをあたりまえに見ずにしっかり把握することです.ここでは,冨士山も波も画面を構成する波動です.

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過去を思うか,未来を思うか?いま現在をクールに見る必要がありました.隆起した山の頂点の姿は,さてどちらの状態でしょう?いやはや,世界経済もこの絵のごとく.サーファーならこの恐慌の荒波も危機どころか喜々として滑り降りるのでしょうか?自然は,大なり小なり周期をもつようです.となると海から見る不二の不動点も永久とは言えません.関東ローム上の都市から見ると,それはある日のベスビオ火山かもしれません….まさかそんなことは思いもしない神奈川沖浪裏の図ですが,さればこそ凪いだ水面のグラデーションや遠くたおやかな稜線をもつ火の山が,なんともありがたい三十六景なのです.Back

 

同じ大きさを繰り返すと,ちょっとした形や向きの違いが目立ってきます.1:1や1:2の対比が明解な対比とリズムを生み出します.大きさが違っても,同じ形で同じ向きなら,簡単に眼で対比ができ,比例も明解です.又,無意識に眼は,それらの対比をリズムのように感じ取っているようです.それらの現象には,まだ名前も,分類大系もないようです.(つまり今までの科学的視点が及ばない,統合的で複雑な認識です.)ただし雰囲気としては,意外に抽象的(柔軟かつ明確)に脳や心に記憶されているようです.

 

 描いて考える.画家はこれを生涯続けます.版画は,そうして生まれてきた原画をもとに,彫り師や刷り師の手が加わります.その過程において,個人ではなしえない仕組みが,編み出されているのです.版による刷り分けは,版画の面白さをいっそう引き立てます.筆を重ねるごとくに,たった数枚の版で,作品を刷り上げようと言うのですから,嫌がおうにも冷静な分版と刷りの技が生まれます.Back

 
ワークショップ「美しいって何だろう?」  No.02-2  Magic Tiles : 黄金比 φ の構成
2-1:プロポーションの仕組み方
  Magic Tilesφ

マジックタイル を使った構成の比較

 スライドショーで,1:1から1:3までの数種の比例を比較観察してみましよう.
1:1から1:3までの間 の知名度の高いプロポーションを使い,コンピュータによる平面構成をスライド シ ョーで提示しています.構成のプロセスと結果を比較鑑賞することで,どのプ ロポーションがどのような雰囲気を生むかを実際に知って貰うためです.それは, 黄金比だけがコンポジションの善し悪しを左右するプロポーションではないことを,ハッキリと自身の目で知って貰うためなのです.

 比例が揃っていると,なんとなく統一感が感じられることが実感できたでるしょうか?スライドで紹介する黄金比のマジックタイルで,是非画面構成に挑戦してください.

 論理的確かさと論理的味気なさ.この矛盾した関係の狭間こそ,感じ取る面白さ,美醜の極みが巡ります.


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Magic Tiles Arsnote.com


いろいろな黄金比の生まれ方について,科学的に解説しているサイトを紹介させていただきます.
岐阜県教育委員会教育研修課 作成による下記ページです.
http://gakuen.gifu-net.ed.jp/~contents/museum/golden/page62.html アニメ^ションを使った親切で解りやすい説明です.客観的視点を失うことなく美を解くことの難しさ.科学的精神の秘めた熱意が感じとれ,黄金比崇拝に陥ることなく,視野の広がる解説です.

 

2-2:実験:マジックタイル(プロポーション 黄金比 φ)による構成実験

 構成のためのサンプル例のスライドの一部を以下に示します.

 実験は,主観的な意図が入り込む複雑な事態です.(笑)主観的情況をも客観的に把握し,観察するにはどうすればよいでしょうか?描くとは,記録することでもあり,その記録を鋭く観察しながら客観的視点を育てることが可能です.制作とは,自分に対する飽くなき実験です.

   

φの比例を素直に生かした構成
 

配布するMagicTiles 黄金比を切り分け,黄金矩形のレイアウト用紙に配置し構成の実験をする.

MagicTiles

MagicTiles 黄金比 ここでは,2種のタイルを使っている.円筒状のグラデーションと斜めのグラデーションの入ったもので,配布するプリントから黄金比の正方形と黄金矩形を切り出して構成する.

MagicTiles
  MagicTiles
 
φの対角の傾きを生かした構成
 
 
 
 

 
   
   
   
   
相互に傾きが一定な構成
 
  MagicTiles

  MagicTiles


独自の傾きと位置を調和させた構成
 
 

 

 
最後までご覧いただきありがとうございます.
今後も,このようなWSを試みたいと思っております.
どうぞご感想やご希望をお聞かせ下さい.

Arsnote Lab.    石垣 健


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