Ars & Arp 
Arsnote and Arsnote Performer
1-01
●更新 041112

Ars&Arp 流れと渦

Programming Director:
Shinji SASADA
Scientific Director:
Ryuuji TAKAKI
Art Director:
Ken ISHIGAKI
リファレンスマニュアル

 対象OSWindows 9XSE, 2000, XP

この"AA流と渦”は,2004年秋に神戸芸術工科大学の公開講座『芸術工学基礎論』 11. 『流れと渦』の授業用に,上記の方の協力で制作されたソフトウェア−プログラムですです.


プログラムの作成上の注意:


1.プログラムは、text形式で作成し、書き終わったら、「.ars」という拡張子をつけて保存します。既存のプログラム(「.ars」という拡張子がついている)を開き、修正を加えた後、別名で保存すると楽です。
2.以下の「液滴画像の読み込み」、「攪拌円柱の設定」、「粘性指数設定」、「円柱の回転設定」、「画像キャプチャの設定」で指示されたコマンド(命令を表す表現)をすべて書く必要があります。
3.各コマンドの右端では、「;」(セミコロン)をつけて改行します。コマンド中では、スペースは無視されますので、見やすいようにスペースを入れてよい。
4.コマンドの順序は任意です。しかし、このマニュアルの順で書くと間違いが少ないと思います。
5.初期画像は、700x700(数字を入れてください)のピクセルに再配置され計算されます。その位置を、横座標(0010)、立て座標(0010)で表現します。左下が(0.0, 0.0)です。時間の経過は、1を単位と下ステップで表します。初期状態が0ステップで、以下1ずつ増加します。
6.プログラムは、英語表記、日本語表記の両方が可能です。どちらかを選んでください。


 芸術的観点からのプログラムの位置とあり方について;


1.できあがった画像データは,一般の画像ソフトで様々な処理ができます.カラーコーディネートはもちろん,画像の一部を切り取って再構成も可能です.
2.プログラムが一つの自然現象を生み出していると考えれば,画家が自然を辛抱強く観察し,やっと見出すフォルム.それを私達はプログラムで生み出せるのでしょうか?
3,プログラミングは,自然ではなかなか起きにくい特殊な条件を設定できます.画家は,経験と直感でそのような現象を描きます.プログラミングとは,どのような感性と知性が作用する現象なのでしょうか?
4,写実といっても,画家も写真家も,およそ日常に見るような対象をただ表現するのではありません.出力される画像をよく見つめ,イメージを深め,イメージに沿ったプログラムを見つけ出すことも重要です.
5,アルスノートでプログラムすると,偶然の発見も必ずプロセスが残り,再現性を保ちます.落ち着いてしっかりと,観察すれば,自他共にそのフォルムの秘密を解き明かすことができるのです.
6,アルスノートは.遠近法以来,美術になかなか取り込まれにくかった,科学的構成や構法を,情報技術を使って融合させるプログラムです,多分野の人々とも協同で,新しい,科学的デッサンと造形のプロセスを試みましょう.



1.液滴画像の読み込み

・概要
    • 初期状態となる画像を読み込み、粒子化(規定のピクセル数に離散化)します。既存の画像を使うか、あるいは新たに作成してもよい。後者の場合は、拡張子「ppm,tiff,bmp」がつくものにしてください。

・書式

    • 英語表記:   LoadImage ( “画像ファイル名” ) ;
    • 日本語表記:   液滴画像読み込み ( “画像ファイル名” ) ;

引数

    • 画像ファイル名:読み込ませる画像ファイル名を指定します。
      PPMTIFFBMP形式の画像フォーマットに対応しており、判別は拡張子で行います。

・書式例

    • LoadImage ( “sample1.bmp” ) ;画像ファイルsample1.bmpを液滴画像として読み込みます。
      液滴画像読み込み ( “sample2.tif” ) ;画像ファイルsample2.tifを液滴画像として読み込みます。
      注意: 自分で作った画像を初期画像とする場合で、縦横のサイズが等しくない場合は、長いほうが長さ1となります。短い方では、画像の両端に空白が表示されます。


2.攪拌円柱の設定

・概要

    • 液滴画像を攪拌する円柱の設定を行います。(##個まで指定可能) 各円柱には、インデックスと呼ばれる番号付けをします。

・書式

    • 英語表記:   SetCylinder ( インデックス, 横方向位置, 縦方向位置, 半径 ) ;
    • 日本語表記:   円柱設定 ( インデックス, 横方向位置, 縦方向位置, 半径 ) ;

・引数

  • インデックス:  円柱のインデックスを指定します。(0 番〜  )
  • 横方向位置:  円柱の横方向位置を指定します。( 0.0 1.0 )
  • 縦方向位置:  円柱の縦方向位置を指定します。( 0.0 1.0 )
  • 半径:  円柱の半径を指定します。

・書式例

    • SetCylinder ( 0, 0.5, 0.5, 0.1 ) ;
    • 液滴画像の中心に半径0.1の攪拌円柱を設定します。

    • 円柱設定 ( 1, 0.25, 0.5, 0.3 ) ;
    • 横方向0.25 縦方向0.5の位置に半径0.3の攪拌円柱を設定します。


3.粘性指数設定


・概要

    • 流体の粘性指数を設定します。粘性指数とは、円柱の回転にともなって周囲の流体が引きずられて円柱の周りをまわるときの、追従性の強さを表す数です。ハチミツや水あめのように高粘性の液体では2とし、水のようにさらさらした液体では2より大きく、固まりかけたのりのような物質だと2より小さく設定するとよい。

・書式

    • 英語表記:   SetIndex ( 粘性指数 ) ;
    • 日本語表記:   粘性設定( 粘性指数 ) ;


・引数

    • 粘性指数:  0.0か、正の数を設定します。(大きくても10位にしましょう)


・書式例

    • SetIndex ( 1.0 ) ;
    • 粘性指数を1.0に設定します。

    • 粘性指数設定 ( 0.5 ) ;
    • 粘性指数を0.5に設定します。

・備考

    • 円柱の回転角度が流体(この場合画像の各々の点)の移動に与える計算式


    • 流体のステップ毎回転角度 = 
      円柱のステップ毎回転角度 /( 0.01 + (円柱の中心からの距離/円柱の半径) 粘性指数 )


    • なお、分母の「0.01+」は、理論的には不要です。しかし、万一分母が0になると計算がストップするので、危険防止のためにつけました。


    • 流体が上の式に支配されて回転するとき、場合によっては他の円柱の内部に入り込むことがあります。これは実際には起きないことなので、円柱内に入った液体を円柱外に排除する操作をしています(これは、プログラム実行中に自動的におこないます)。



4.円柱の回転設定


・概要

    • 攪拌円柱の回転手順を設定します。回転の向き、角度,回転する期間のいずれも任意に設定できます。角度は、1周を360とし、反時計回りを正、時計回りを負の角度で与えます。

・書式

    • 英語表記:   SetRotation ( 対象円柱インデックス, 開始ステップ,
    • 終了ステップ, ステップ毎回転角度 ) ;
    • 日本語表記:   円柱回転設定( 対象円柱インデックス, 開始ステップ,
    • 終了ステップ, ステップ毎回転角度 ) ;

・引数

    • 対象円柱インデックス: 設定したい円柱のインデックス
    • 開始ステップ:    回転を開始させるステップ
    • 終了ステップ:    回転を終了させるステップ
    • ステップ毎回転角度:  ステップ毎の回転角度

・書式例

    • SetRotation ( 0, 10, 200, 15. ) ;
    • 円柱インデックス0に対して、10ステップから200ステップまで、毎ステップ15度づつ反時計まわりに回転します。

    • 円柱回転設定 ( 1, 0, 200, -30 ) ;
    • 円柱インデックス1に対して、0ステップから200ステップまで、毎ステップ
    • 30度づつ時計まわりに回転します。

    • SetRotation ( 0, 0, 1, 180 ) ;
    • SetRotation ( 1, 1, 2, 180 ) ;
    • SetRotation ( 0, 2, 3, 180 ) ;
    • SetRotation ( 1, 3, 4, 180 ) ;
    • 円柱1、円柱2の順にそれぞれ180度ずつ反時計回りにまわし、次に円柱1、
    • 円柱2の順にそれぞれ180度ずつ時計回りにまわします。



5.画像キャプチャの設定


・概要

    • 指定したステップでのシミュレーション結果を画像キャプチャします。


・書式

    • 英語表記:   SetCaptureImage ( ステップ, “画像ファイル名” ) ;
    • 日本語表記:   画像キャプチャ ( ステップ, “画像ファイル名” ) ;

・引数

    • ステップ:   キャプチャしたいステップを指定
    • 画像ファイル名: キャプチャした画像をファイル化する際の画像ファイル名
    • 画像フォーマットは、拡張子により設定。( BMP, TIFF, PPM )


・書式例

    • SetCaptureImage ( 20, “capt1.bmp” ) ;
    • 20ステップ目のイメージをキャプチャし、画像ファイルcapt1.bmp書き込みます。

    • 画像キャプチャ ( 100, “capt2.tif” ) ;
    • 100ステップ目のイメージをキャプチャし、画像ファイルcapt1.bmp書き込みます。



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