第二回 ZOKEI NOTE 展の報告
’98/11/15 おかげさまで無事終了いたしました.
日時:1998年11月9日(月) より 11月15日(日) までの7日間,開催されました.
am 11:00 - 7:00pm 会期中無休.
場所:T・BOX 企画展
〒104-0061 東京都中央区銀座8ー11ー13 山田ビル3F
Phone :03-3573-5200
T-BOX 企画展
ZOKEI NOTE
「造形ノート」
1998/11/9 ~ 11/15
「さあ 行こう!」
と言って友は歩き始めた。
行動の前の「言葉」は
互いに他者であることの
確認でもあり、忘却でもある。
造形活動における「ノート」は
その確認と忘却にどう関わるであろうか?
「さあ 見てみませんか!」
KEN ISHIGAKI
展示作品の一部を以下に紹介します.
銀座T?BOX 会場風景
ZOKEI NOTE 造形ノート 「造形譜」 制作(演奏):石垣 健 造形譜3DデジタルデータからのNCルーター加工,CGレンダリング等 素材 :アクリル樹脂,石膏,紙,インク 造形譜 :石垣 健
ZOKEI NOTE 造形ノート 「図録 仮想貝の世界 Vol. 1」 シリーズ視味触聴 四巻 制作(演奏):坪谷 彩子 凸版(造形譜3Dデジタルデータからの版下制作) 素材 :和紙,木,アクリル樹脂 造形譜 :石垣 健
ZOKEI NOTE 造形ノート 「現存する痕跡?展開-奏-組合」 制作(演奏):平木 志乃 作譜 :平木 志乃 素材 :磁器土 新聞紙
ZOKEI NOTE 造形ノート 「織りなす時」 制作(演奏):藤田 夢香 素材 :アクリル板 (造形譜デジタルデータによるNCルーター加工) 和紙,特殊インク
造形譜 :石垣 健
ZOKEI NOTE 造形ノート 音楽 「休符から始まる造形ノート」 音楽制作(演奏):吉川 信雄 イメージ譜 :石垣 健
「造形譜」をイメージする 音楽における楽譜のように、美術にも「造形譜」があったとすると、それは造形活動にどのように受け入れられているだろうか。おそらく、学校では美術の授業で記譜法を教えているであろうし、街の画材屋に「造形譜」が並び、誰もが独自の解釈と、手近な技法で再現を楽しんでいることだろう。又、絶対音楽的造形や標題音楽的造形が、「造形譜」として記録され、様々な形式が記譜を例とし歴史的に位置付けられているであろう。そして、ガウディのサグラダファミリア教会などは、現在制作中の作品でありながら、「造形譜」がその完成に先立って出版されたりもするのである。これらの「造形譜」による作品は、「制作家」(演奏家 performer)のもつ伝統的手法や、独自の新しい解釈と技法によって制作(演奏 performance)され、画廊や美術館等で披瀝され話題となっていることであろう。たとえば、こんな風にである。
A氏の未制作の造形譜、「交響詩―失われし風―」が五年ぶりに本格的に制作されることになった。場所は、あの○○国際フォーラムの、巨大な吹き抜け空間。演出はA氏の友人であり仕事仲間でもあったB氏、制作はC制作集団である。使われる素材は、昨年来D研究室とE社で共同開発を行ってきたF-99で、当時、造形譜と共に、D研究室CGグループによってバーチャルに発表され、<机上の素材>と批判されたものだが、あの夢のレンダリングをみごとに具現化した新素材なのである。久々のB氏の演出も楽しみであり、C造形グループの習熟した技法がこの新素材と共にA氏の作品にどう挑むかも含め、大いに期待されるところである。今回も観光省(前建設省)と通産省の協同企画展で、この作品は三年間展示された後、前回同様、同敷地及び近隣の植裁に堆肥に変えて返される計画になっている。云々
しかしこのような記譜法も、共同作業も、素材も、かいまみる花のような造形への価値観も、そして観光立国も今はまだ夢である。
論文: 造形ノート 「造形譜」への私的アプローチ より
石垣 健
形の文化会編「形の文化誌」6
工作舎刊 (1999.4 )
このたびは造形ノート展その弐におこしいただきありがとうございました。次回も造形譜を用いた作品制作を試みてみます。またお目に掛かれることを楽しみにしております。どうぞよろしく.
次回の案内状 御希望の方は,「案内状希望」とお書き添えのうえ下記まで e-mail をお送り下さい.
石垣 健
KEN ISHIGAK