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.芸術と科学を巡る旅は面白そうですが,近づくとその事情は複雑です.それを,スッキリと一言で言い表わそうと,誰もが苦労してきました.
Ars, Art & Science, Design, Science Art, Technology Art, Algorithmic Art, Generative Art, Computer Art, Computer Aided Design(CAD), Computer Sculpture, Infomation Design, Interactive Art etc.
技術的な目新しさはすぐ認知されますが,芸術としての“永続性”を獲得することは簡単ではありません.観客は,難解な説明には見向きもしません.混乱の只中であるからこそ透徹した感性の閃きが欲しいわけですが,自然という現実は自己の心身をも含み,そう簡単にはいきません.芸術と科学を串刺しにして頬張るには,かなりの覚悟が要るようです.
これ等の作品のプロセスは,科学的で再現性のあるコンピュータ・プログラムによる加工が主です.明快なアルゴリズム(計算手順)によって生み出される3D空間の線に沿った切削歯の動きが,アクリルブロックを内側から彫刻し,脳内の抽象概念が姿を現します.この意識の布石を基に,更に認識を表象化し,再検証することは,21世紀における可視化芸術の役割でもあるのです. しかし私たちの脳は,このような認識に留まることは希です.どんなに科学的な論理性を構築しても,自由に浮遊する感性は,視野の出来事を瞬時に脳内と照合し,新たなイメージを自在に組み上げてしまいます.可視化から仮想化へ….それが “オブジェ” という仕掛けのそもそもの目論見なのでしょう.
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