●造形構成について |
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1. 自然形態の造形構成, 造形形式,構成譜 |
造形構成の認識は,自然形態の形成プロセスを解明する分子生物学的視点とは異なる.なぜなら,その認識は,形態形成の生体内プロセスを知らずとも,対象の外部,内部の概形を観察し,記憶を含めた可視の範囲で構成を把握をするからだ.
数理科学的視点によるCGのアルゴリズム(計算手順)などは,外形的構成手順を主体とする限りにおいては,この可視的認識の範疇に含まれる. |
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2. 美術における造形構成 |
美術における造形構成は,目に見える形態の多様な様相から民族性のような歴史的経緯を含む内面性の表出まで,その要素・要因の複雑な連関をもっている.したがって,表現体(作品)とその解釈が生みだす表象にも,伝統と歴史を踏まえた美学的観点から個人的志向まで加味されるため,難解とも思える探求と多様な評価が重ねられてきている. |
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3. 造形構成の理論化? |
往々にして造形構成の情報理論化は,あるわけもない美的価値判断の客観化と混同される.芸術を情報理論として一網打尽に捉えてしまおうといった心無い試みや,かたや信条にかかわる問題として一切の論理的構成から目をそらしてしまう頑固さが若者たちを未だに惑わせている. |
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4. かたちのリテラシー
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形の読み・書き・考案(デザイン) 目覚めて物事を知るには様々な手順がある.対象がまだみえないときは耳を澄まし,香りを感じ,目を開きキョロキョロ見回しながら全記憶と照合し始める.なんらこれといった変化がなければ,またうとうとと眠ってしまう場合もあるのだ.もし妙に騒がしかったり,日差しを感じて静かだったりすると,「しまった,遅刻だ!」なんて場合もある. ようするに,これらの知覚は,記憶と照合されながら認識されるのである.毎朝,ほんとうに一瞬で己に目覚めるのだろうか? 「何時だろう?」と時計を見るときは厄介だ.まず時計には見方,読み方がある.共通の時刻というものは“本能”ではなく,学習しないと認識に至らない.一日を24等分割し,番号を振って一日の中の時の位置を表す約束ごとだ.約束は決め事であるから知らなければ解らない.時計の文字盤は面白い.一日を午前午後に分けて,さらに12等分割している.円を六等分するには半径で円周を切っていくだけだ.その半径を直交させてもう一度繰り返せば12等分になる.でもその中の5等分はどうするのだ?まあ目分量でも当たりは付く.(眼の能力は底知れない) そんな分割法が文字盤を構成し,それから時間を読み取り,目に見えない時の位置を教えてくれるのだ. 「あー電車間に合わない!」.電車の運行には,時刻表という厳しいルールに基づいて作表された計画がある.電車の一日の時間デザインがこれで規定されている.との駅にも時刻表が掲示されているのだ.だが大丈夫だ.電車の方が遅れることもある. 余裕のない都心の鉄道は事故があると運行上の大変なやりくりをする.何が何でも他の交通手段を含めて一定人員を輸送し,夕刻の帰宅に備えて車両をやり繰りしなければならないからだ.彼らの持つ運行表は複雑だし,駅と駅の間には無数の標識,信号,センサーを配備している.非常時には無線の指示もある.こんなに危機管理が日常化したデザインをもつ組織もめずらしい. 若干話がそれたかもしれないが,見えない複雑な時間関係をこれほどしっかりと抽象化し図表化したコミュニケーションが日々を支えているのに,常に見えている造形物の複雑な関係は,記号化や図表化を駆使して整理されているだろうか?その点,どこの大都市も鉄道の路線図には苦労が見られる.同じ対象の抽象表現にさまざまなデザイナーが挑戦しているのがとても面白い.混乱した現実は,いかなる造形的センスをもってしても隠せないという例かもしれない.つまり,抽象化し,図表化し,デザインする前に現実が進行してしまっているのである.なんとも無計画である.これでは混乱は避けられないし,美しいデザインなど望むべくもないのである.デザインにも順序があり的確なリズムがあるのだ.社会も己も気が付いた時点から計画が生まれ,行動が始まる.やればできる.やらねばできない. PageTop |
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5. 統合的表現と解釈 |
客観とは共通する主観でもある.客観と主観が共存する芸術的表現は,もともと造形芸術が客観性につながる抽象的な骨格をもちながらも,肉付きや肌理とともに感性にかかわるたたずまいやしぐさが加わることで,感受する側に異なった印象を与えることができる. |
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6. おおよその構成を程良く記述する 図 1‑1 THE MUSCLES OF THE HAND Fritz Schider An Atlas of Anatomy 1947 図 1‑2 DURER ,"PRAYING HANDS" Fritz Schider An Atlas of Anatomy 1947 |
図 1-1は手の解剖図である.当時は3D-CADはないので,見えない部分は実際の解剖のようにして構造を解りやすく描いている.つまり,これは一般的な人間の手の極めて詳細な形譜と言える. |
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7. 表現と解釈 |
文学は,朗読のようなパフォーマンスが加わる場合もあるが,ほとんどの場合が作者(著者)の記した文章(文字配列)を読者自身が直接読み,読者なりの解釈をしている. |
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8. 作品と製作者 |
建築作品では,映画製作などと異なり建設工事者の個人名が明記されることはめずらしい.造形デザインにおいても造形作家(建築家,デザイナー)による中間的表現としてのスケッチや図面などがあり,その実制作者(施工スタッフなど)がいるわけだが,生き方の違いなのか映像作品のスタッフロール(credit title)のように個人名が記されることは少ない. |
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