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● アルペイオスの流れ  1983



"アルペイオスの流れ"  Cast epoxy resin   1983
第47回新制作展  東京都美術館





Arsnote (Note of Designing Code) ”アルペイオスの流れ” 1983
設計プロセスのパネル(形典で言う「造形譜」)
第47回新制作展  東京都美術館

アルスノート

 アルペイオスの流れ 1983

 止めようのないこの日常. 暑い屋根裏の部屋で明けても暮れてもプログラムの調整だ."Out of memory!" の繰り返し.暑さのための暴走.私より機械の方が疲弊しているようだ.当時のRAMのメモリー容量は,プログラムを含めてたったの640Kbiteだった.


イメージ
意思を感じるような(自然な)流れ.切っても途絶えない流れ.そこから現れること…?

 構成プロセス
昔のパソコンは曲線ひとつ描くにも苦労した.余計な苦労をして,すっかりやった気になるから厄介だ.数学嫌いの学生だって,鉛筆一本でずっと素敵な曲線を描けるデッサン力がある.なにしろ人は情報処理の天才であるから仕方ない.そこで,簡単な関数は造形性にどのような効果があるか?という問いを立て,平面図はサインカーブ,正面図は放物線,側面図には三次曲線を使い(下段右の図),更にバランスある相互の動きを加えたリズムの配列的構成(下段左)を試みた.無意識に描くイメージスケッチも,アナログ的な関数で客観的に表現するには大変な意識化が必要だ.いまなら,お絵かきソフトが自動的にデータを関数化してくれる.「こんな面倒なことをして何になる....」と思われて当然だ! だが,なんでもやってみるものだ.予想外の結論が生まれた.「なーんだ,適当でいいんじゃん!」 ようするに,要点を押さえた座標符(上段の左から2番目の折れ線の三面図)のほうが,制作時において,いわゆる設計図面より自由な解釈ができることに気が付いた.メモリーも食わないし,造形譜の可視化はこれで十分だ.上段の曲線の図は,いわゆる設計図であるが,これは,造形譜の解釈による原寸モデル制作後に測定して得たものだ.

 可能性は,やはり失敗や不可能と思われる領域に潜むものだ. isi

 

COMA DESIGN STUDIO  Ken ISHIGAKI

 

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