アルスノート

日曜日　1986

久しぶりの日曜らしい一日だった。 　　

抽象とは新しい対応表現の模索だけではない。皆が受け入れられる新しい感受システムを創造することでもある。

イメージ

　　二体を分離した．相互の関係が自由になる…安息の時間．


基本構成

　　抽象とは新しい対応表現の模索だけではない。皆が受け入れられる新しい感受システムを創造することでもある。フォービズムやキュビズムは、 外的対象だけでなく画家の記憶の様子を描き出した。 人々は、視覚記憶の絵画性に目覚めさせられたのだ．デッサンの正確さや、観る側の記憶の質を楽しむだけではなく、 表現の同時性とと共に，情報を解凍し再構築するスリル？これらが，観る側において存分な解釈の楽しみとなるのだ．


制作ノート

　 イメージが意識を振り切ってゆく．記譜がまどろこしく完成に至る．自作自演は手間が省けて楽である．とはいえ，デザイン展の提案となればモデュールの設定をしなければならない．この二体に共通する要素だけでなく，以前出品の作品との関係も含めて，再び共通の寸法モデュール（フラクタルスケール）によって実制作時に調整を行った．自分の眼を信頼するか，寸法のモデュールを信頼するか？これは，かなり面白い作業である．結果は“引き分け”と言うことにしておこう．
どちらを欠いてもできないのだ．己の能力の限界かもしれない．雲のように毎日モクモクと一生続ければ，少しは何かが残るだろう．だが，直観が微笑している．