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● “初夏”2005
Arsnote : アルスノート : 芸術としてのデザイン  

彫刻デザイン “初夏”   花崗岩 2005

パーフォーマーの解釈が熟し,その技が生き生きと見えるときは,実にワクワクするものです.

勿論,仕事ですからお金の流れと心の流れがスムーズに行き交うとは限りません.しかし,「ものづくり」に魅入られた魂さえ伝われば,山を越えても海を越えても変わりはありません.「何処を向いて仕事をしているか」これが伝われば,やがて造形表現が互いの糧となるものです.

「初夏」 正面図 2005








マケットを測定し,造形譜(この場合は三面図と断面図)にするときに使用するモデュールに位置を合わせます.これは,声で音程を出しながらも、楽器の持つ平均率に調整するのと似た作業です.

図面は,平行投象なので大変不自然な視点です.これも,流れる楽曲を楽譜に留めて見るのと似ています.音を時間軸の真横から見てるんですから…妙な違和感があって当然です.







断面図は,形譜における座標符の一部分です.これもおかしな視点ですが,先入観に惑わされずに相互の関係がよく見えます.楽譜を縦に読むようなものですから,やや意味不明な関係ですが,そこにも大切なバランスが潜んでいます.視覚的表現を用いる限り,オタマジャクシよりはアナロジーがあって当然です.空間を感じている人ほど,図面は抽象性が強く,客観的でクールな表現なのです.




初夏





初夏設置作業
花崗岩のような硬い石を彫るのは,容易なことではありません.デザインされた小さなマケットと図面から,心の形を読みとりながら,実制作が進みます.




 造形と音楽の文法的比較をすることは,所詮,そのパターン認識のシステムや感受過程が異なるので無理が多いわけですが, その点をわきまえたうえで,認識の仕組みや感情との関係を考察しながら表現することは,美の秘密に迫る魅惑的な体験となるはずです.
 考えるまでもなく,表現体とはシグナルを発信しているにすぎません.そのシグナルをリアルタイムに解析し,感受し,解釈しているのは,まさにリアルタイムに生きている己自身です.この当たり前のような日常が,いかに異常なほど相互の表現で溢れ,濃密なコミュニケーションのるつぼとなっていることか….とはいえ,倦怠や怠惰はいつのまにか舌の根に湧き出で,それらを選り好みし,選別していくのですから不思議ですね.

 



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